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乗って応援(2023年11月)

9月末にオンデマンドバスの利用者集会を町内7つの会場で開きました。
オンデマンドバス「中井ふれあいバス」が実証運行を始めてから今年1月で10年となりましたが、利用者の声を直接お聞きするのは、初めてのこととなります。

10年の間に、町内には新たにスーパーや医療機関などができ、利便性が増していますが、一方で高齢化が進み、運転免許返納者が増加しています。
そのためか、集会には現在の利用者だけでなく、これからオンデマンドバスの利用を考えている方も参加してくれました。

利用者からは、路線バスへの乗り継ぎ、帰りの予約の取り方などのさまざまな「工夫」が語られました。
オンデマンドバスの運行形態の長所も短所も踏まえて、「乗りこなして応援」いただいていることに驚かされました。

会場によっては、「定期的に予約を取って、買い物や体力づくりを一緒に行きましょう」といった提案もありました。
また、土日の足の必要性が高まっていることも分かりました。
「東名秦野バス停のように、バス停近くに駐車場を作って」というご希望もありました。

これは現在策定中の「中井町地域公共交通計画」にも「パーク&バスライド」という施策で取り上げています。
参加者との対話を通じて、公共交通を維持していくためには「乗って応援」することが大事であること、地域を支える交通は、定時定路線型からオンデマンド型への移行が合理的で、顕著になっていることもお伝えさせていただきました。

参加者のお一人がぜひこのことは伝えたいと、出がけに書き留めたメモを読んでくれました。それは詩のようでした。
遠いところから便利に
他に方法がない人にチャンスを多く
一人しかいないからあそこはいいね、 ではなくて、一人だから先に連れて行 ってあげよう
ついでの仕事ではなく、この仕事を

私はこの言葉に強く心を動かされ、10月の朝礼でも全職員に紹介し、それぞれの「この仕事を」していこうと訴えました。
もちろん、私たちは地方公共団体として、効率性や公平性などを追求し続けなければなりません。
しかし、この詩のような一文の願いは、つづまるところ、SDGsなどで最近よく言われる「誰一人取り残さない」という精神に他なりません。

免許返納やご家庭の状況で、だれでも交通弱者になる可能性があります。
それは市町境でも、街なかでも起こりうることです。
現に、日常的にオンデマンドバスを利用されている方は200人ほどになりますが、町内いたるところからご利用があります。

新たな公共交通の動きも見据え、「この仕事」への挑戦を続けてまいります。皆さまの皆さまのご意見と「乗って応援」をよろしくお願いします。