消滅可能性自治体(2024年6月)
この内容に触れないわけにはいきますまい。
去る4月24日、民間の有識者でつくる人口戦略会議による「令和6年・地方自治体『持続可能性』分析レポート」で、中井町が「消滅する可能性がある」市町村の一つに分類されました。
「消滅可能性自治体」とは、令和2年の国勢調査の結果から、令和5年12月に国立社会保障・人口問題研究所が公表した「日本の地域別将来人口推計(令和5年推計)」に基づいて、2020年から2050年までの間で、20歳から39歳までの女性が半数以下となる自治体と定義されています。中井町ではマイナス51.0%と「半数」を1%下回りました。
こうした名称が与える印象や、元となる分析の妥当性などに、賛否はあります。
しかし、地図上でポッと中井町が示された瞬間、想定していたとは言え、わたしは、まず、町民の皆さまにご不安を与えないよう、このように情報共有をさせていただき、人口減少の課題に、臆することなく取り組んでいこうと決意を新たにしました。
10年前にも同様の調査があり、二宮、大井、松田の周辺3町が該当し、今回は脱却しています。
脱却した市町村が行ってきた施策と、中井町が拡充してきた高水準の子育て支援、結婚新生活支援も加えた移住定住施策は、遜色ありません。
むしろ、質実共に手厚いものとなっています。
では、これからどうしたらいいのか?
4月以降、町内事業所をまわらせていただき、企業の持つニーズを伺い始めています。
その中で町内に住む場所がないという声が相次いでいます。
町外から働きにくる方が多い中井町は、令和2年の国勢調査で、昼間人口は136%と箱根町に次いで高い状態です。
中井町に住みたいと物件を探している移住希望者も一定程度いることも分かってきました。
市街化調整区域が多く、宅地が広げにくい本町ですが、住みたい希望を、ひと家族ひと家族と着実に重ねていく「出会い」の定住策が必要です。
そのために物件情報だけでなく、中井ならではの暮らしを磨き、移住相談のチャンネルも、皆さまのご協力もいただきながら、広げていきたいと考えます。
「近き者説び、遠き者来たる」と論語にあります。「近き者」である私たちの暮らしの充実、幸せを第一に、そこに「遠き者」の「出会い」がある。これが人口増加策の要諦と考えます。(つづく)