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新春鼎談 町長×町民 里都まちの幸福論

戸村裕司町長と、町で活躍する紙谷さんと山崎さんのお二人に、中井ならではの幸福についてお話しいただきました。

戸村裕司町長

(写真右)
松本上在住。
令和4年11月に中井町長就任

紙谷多佳子さん

(写真中央)
古怒田在住。
全国から応募の集まる「世界らん展2024」で最高賞となる日本大賞を受賞

山崎貴子さん

(写真左)
岩倉在住。
五所宮で古着や古道具などを取り扱うカフェ「POLKA」を開業


戸村町長
あけましておめでとうございます。
ちょうちょう発し新春座談会は、活躍される女性のお二人にお話を伺いたいと思います。
今日の座談会は、山崎さんが開いているカフェ「POLKA」で開催させていただきました。普段は町内外問わず多くの方でとても賑わっています。よろしくお願いします。

山崎さんのお店「POLKA」(ポルカ)でお話しました

「見る」ことの大切さ

戸村町長
町では2か年かけ、令和8年度から始まる「第七次中井町総合計画基本構想・前期基本計画」を策定しており、山崎さんにも審議会委員になっていただいています。その中で、ウェルビーイング指標を用いた、幸福の見える化を行っており、中井ならではの幸せを見出したいと願っています。
まず、お二人のこれまでの歩みを伺いたいと思います。

山崎
20歳まで岩倉に住んでいて、就職を機に東京へ移りました。その後、33歳で結婚を機に平塚に移り住みましたが、子どもを育てるとなると、中井がいいかなと思い、8年ほど前に戻ってきました。

戸村町長
中井に戻ってお店を開こうと思ったのはどうしてですか。

山崎
東京では下北沢の古着屋で働いていました。お店で働いていると、いろいろな人が集まって、集まった人で仲良くなったりコミュニティが生まれて、またそれが新しい関係を生んでという、人が集まる場所があると面白いんだなというのをすごく感じました。
ただ、それは中井には今までなかった楽しさで、中井に戻ったときにあんな場所が欲しいと思いました。待っていてもすぐにできないので、自分で作ろうと思いました。

紙谷
私はずっと中井に住んでいます。私含め家族みんな花が好きで、母親はキクを、父親はアサガオを育てていました。私がランと出会い、育て始めたのは30歳頃でした。
毎日、朝起きたら温室のランを全部見て、寝る前にも必ず入って見ています。ランはいつも見てあげないとすぐ駄目になってしまうので、自分も健康でいられるように運動もしています。
目標だった「世界らん展」で日本大賞も取れ、ランのおかげで同じ趣味の友達が全国にたくさんできたので、やっていてよかったと思います。

戸村町長
趣味がつながりや良い循環を生んでいるんですね。


プレミアムチケット

戸村町長
中井ならではの幸せについて、聞かせてください。

山崎
中井はよく「何も無い」と言われますが、このままでも十分だと思ってます。観光地のような景色がたくさんありますから。

紙谷
海は見えるし、富士山は見えるし最高ですよね。

山崎
紙谷さんが「見る」ことの大切さを言ってくれたように、町をよく見たら、町は良くなります。町の人がもっと自慢していいと思います。
市街化調整区域が多いのも、ある意味では景色が変わらない安心感があります。既に住んでいる人は「もうこの前には何も建たない」という、プレミアムチケットを持っているようなものですから。

紙谷
中井をウォーキングすると見晴らしが良いところが多いし、友達が自宅に来るとすごく良いところだって言われます。

戸村町長
昨年、消滅可能性自治体に分類されましたが、住みたくても住む場所がないという声も聞こえています。論語で「近き者説び、遠き者来る」といわれるように、改めて町民の暮らしの充実が自然に外へ伝わる流れを大事にしています。


女性として地域で

戸村町長
現在、役場では新たな生涯学習施設をつくる取り組みを進めています。わいがやサロンを通して、多くの方の意見を取り入れ、「行きたくなる、居たくなる、(中井に)暮らしたくなる」施設が生まれそうです。
暮らしたくなる、帰りたくなる中井になるには、子育て支援の次は女性支援が必要だと考えます。普段町で暮らしていて感じていることはありますか。

紙谷
古怒田に住んでいると、下に降りてバスに乗るのに、いったん車を停めておけるところが無いんですよ。だからバス停の近くに車を遅くまで停められるところがあればいいなって、女の人が集まるとそういう意見が出ますね。

紙谷さんが子どものころはたくさん歩いておでかけしていたそうです

戸村町長
昨年策定した「中井町地域公共交通計画」で「パークアンドバスライド」という考え方で、役場駐車場が候補ですが、バス乗車のために駐車スペースを設置することも取り組みます。生涯学習施設建設を契機に役場周辺を再整備し、山崎さんのお父さんである加藤前副町長が私に話してくれた「比奈窪56プラン」としてエリアの価値を高めていきます。

山崎
趣味や仕事、家庭で活躍する場も多いので、女性で不自由を感じることは無いです。ただ、自治会だと男性中心でやられているので、女性の意見はあまり入らない。

戸村町長
下井ノ口で女性だけのカフェミーティングがありました。同じ質問でも男性とは意見や視点が異なります。女性の意見が町に入るようにするには工夫が必要です。

趣味も仕事も家庭も楽しんでいる山崎さん

山崎
会議になると意見が出しにくいので、役場職員の方にもっと外に出てほしいですね。休憩時間を週に1回、2時間にして、お昼ご飯を町内で食べたりすると、井戸端会議やご飯屋さんでいろいろな意見が聞こえるし。そうすると町の人も役場の人に対する見方が変わるし、距離感が縮まってお互いにいいと思います。

戸村町長
今回お話いただいたことは、今後の町政に活かしたいと思います。ありがとうございました。

山崎さんのお店「POLKA」(ポルカ)の前でにっこり