震災百年2題(2023年10月)
今年は観測史上最も暑い夏だったそうです。
皆さまご体調はいかがでしょうか。秋への季節の変わり目、くれぐれもお大事になさってください。
猛暑の今夏、9月1日に関東大震災から百年の節目を迎えました。
本町と秦野市の境にある震生湖も誕生百年、9月3日には中井町こども育成連絡会による生物多様性ハイクがありました。
このハイクを通じ、自然体験と防災学習の場としての震生湖のコンテンツを生み出すことができました。
それらを多くの方に広げる取り組みと、ハード面では、今年度に中井側の駐車場整備、中井への回遊性を高める案内板の設置に取り組みます。
百年の節目にもう一つ取り組んでいることがあります。
それは震災から2年後、大正14年に刊行された「中井村震災祈念誌」のレプリカ作成とその解説書です。
松本愛敬氏が執筆、当時の中井村が刊行した本書は、報道されているとおり、1冊しか現存が確認されていません。
議会からの決議も受け、その複製と、それだけでなく、本書の史料的位置づけを、県内の近代史、災害史がご専門の東海大学教授、馬場弘臣さんにお願いしています。
馬場さんによると、本書は著者である松本愛敬さんの思いあふれる内容となっており、ぜひその人となりを知りたいとのことで、私たちも調べを進めています。
戦後まもなく中井中PTA会長をされたそうです。ぜひ松本愛敬さんをご存じの方、ご連絡ください。
「天災は忘れたころにやってくる」という警句は、誕生間もない震生湖の調査を行った物理学者、寺田寅彦の言葉とも言われています。
いま世界各地で地震の報せがあり、線状降水帯もいつ発生するかわかりません。
震災忌向こう3軒両隣。自助・共助を皆さまとともに作ってまいります。町は公助を含め必ずお支えします。