見出し画像

竹害から竹財へ(2024年12月)

今年度予算の新たな施策で反響が多かった取り組みに、帯状疱疹ワクチンの接種補助金と竹害対策があります。

竹林の野放図な拡大は、すでに山を閉ざし、畑を侵食し、鳥獣の隠れ家となり、住宅にと迫っています。竹害は荒廃地と同様、農業のみならず、町にとっても大きな課題です。

竹害に町ぐるみで踏み込もうと、そのキックオフとなる「竹林整備事業講演会」を11月10日に開き、講師に、横浜・小机が活動拠点の特定非営利法人日本の竹ファンクラブ理事長の平石眞司さんを迎えました。

年間活動120日という同クラブは、小机城址市民の森や横浜国際プール林浴の庭で「竹灯籠まつり」を開催。竹の特質や利活用を学ぶ「竹の学校」や人材育成を行う「竹取協力隊」など先駆的に取り組み、メンマや竹ジャーキーなど6次産業化も模索しているとのことです。

平石さんと本町の関わりは、すでに四半世紀にわたっています。

半分形で、放置竹林の再生活動を継続し、町の「竹灯篭の夕べ」にも当初からご協力いただいています。本町の実情も把握され、特に真竹の可能性に着目されています。

平石さんの原点も竹害への懸念です。
竹は毎年間伐を続けることで、コントロールできます。
地下茎が成長する時期を見越して7月から8月に皆伐、翌春とその次のタケノコを刈り取ると、並行して地下茎が細り、4年目にはタケノコが出なくなるそうです。同様に、何平米に何本残すかで、竹林の姿をコントロールすることにもつながります。

町では、今後、竹取協力隊のような地域の人材育成を行いつつ、フィールドなどを定めながら、竹害対策に取り組みます。講演会での質問にもありましたが、竹を細かく砕いた竹チップは、そのまま撒くとイノシシは繊維質が足に刺さるのを嫌がるそうです。発酵すれば肥料にも使えます。可搬式で使いやすいチップ機の導入も考えています。

竹害が竹財に変わる可能性があります。
本町では竹細工や竹の遊具への取り組み、また事業として竹林整備をしている会社もあります。
オブジェ作りを含め、利活用も行い、竹灯篭の夕べなどをさらに意義深いものにしていけたらと考えます。

本丸は山に入ることです。時代は地産地消だけでなく、山の荒廃や災害の激甚化に伴い、治山治水の段階に入りました。そのことはいずれまた書きたいと思います。

(写真は、昨年開催された「小机城址市民の森 竹灯籠まつり」のものです)