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台風10号と中井(2024年10月)

台風10号は、次第に進路を西に変え、8月29日朝に鹿児島に上陸。同じころから町内でも雨が降り始め、午後1時半ごろ、大雨警報が発表、それを受け、警戒会議を開催しました。午後6時には、土砂災害警戒情報となり、該当する中村地域で、中村小学校、中井中学校の2避難所を開設しました。

翌30日午前5時台から3時間で115ミリの雨が降り、それが下流、二宮での葛川氾濫につながりました。
町内でも警戒に当たっていた、まち整備班などから、河川水位の上昇、道路冠水の知らせが入り始め、午前7時半に警戒会議を災害対策本部に格上げし、職員配備を拡大、町内すべての避難所を開くこととしました。

この3時間の雨で、町内の累計降雨量が300ミリを超え、土砂崩れの被害も寄せられるようになりました。

横浜地方気象台の30日午後2時の説明会資料によると、
「大雨は、高気圧の縁と台風周辺からの暖かく湿った空気が南南東から県内に流れ込んだ」
との分析で、そのぶつかり合うところが、中井を含む、大磯・二宮、秦野・平塚のエリアでした。

気象庁のキキクルなどで「雨雲の動き」を見てみると、赤や紫といった通常では見られない雨量を降らせる雨雲が、次から次へと湧き起こり、それが本町をどんどん通り過ぎていきます。
なかなか動かない台風10号を見やりつつ、次々雨が降れば土中に水分が増していきます。被害が拡大しないよう、願うしかありません。

職員体制は各班を増強し、すでに24時間体制を取れるようにしてきましたが、通常では一晩前後がピークの台風対応とは異なった様相を呈してきました。

31日朝には雨の緩急もつき、移動時間も確保できるとの見通しで、避難所を境コミュニティセンターのみとしました。
大風を伴わない分、落枝や倒木も限定的でしたが、9月1日午後11時過ぎに土砂災害警戒情報が解除されるまで、500ミリを超える雨が降り、土砂流出などの農地被害が63か所道路被害も44か所に上りました。
住宅・物置への被害もありましたが、人身への被害はなく、ほっとしています。
のべ4日間にわたる災害対策本部設置は本町でも異例な長さでした。

今回、災害救助法の適用をお願いしました。災害救助法は、避難所運営も含む、人身、人命に関わる被害への支出を国庫がみてくれるというものです。また、大小ある農地などの被害にはできるだけ対応できるよう、新たな制度創出にも取り組むなど、引き続き、復旧に向けた取り組みを模索してまいります。